星の和名
名前の由来をたどると、使われ方が見えてきます
農具、道具、動物。見立ての対象がそのまま名前になっているものが多く、どの星が何の目印にされていたかが残っています。
| 呼び名 | 指すもの | 由来と注記 |
|---|---|---|
| すばる昴 | プレアデス星団 | 「統ばる」(集まる)が語源とされます。清少納言の記述にも見え、古くから親しまれてきた呼び名です。 |
| からすき星唐鋤星 | オリオン座の三つ星 | 農具の形に見立てたもの。地域によっては「三つ星」「竿星」とも。 |
| ひしゃく星柄杓星 | 北斗七星 | 水をくむ柄杓の形。「ななつぼし」「ふなぼし」の呼び方も記録されています。 |
| ねのほし子の星 | 北極星 | 方角の「子」が北を指すことから。動かない星として、海上の目印にされました。 |
| あけのみょうじょう明けの明星 | 金星(明け方) | 同じ星でも、夕方に見えるときは「よいのみょうじょう」と呼び分けられます。 |
| たなばたぼし七夕星 | こと座ベガ・わし座アルタイル | 七夕の伝承と結びついた呼び名。「おりひめ」「ひこぼし」の呼び方が広く知られています。 |
| すまるぼし | プレアデス星団 | 「すばる」の地方形。西日本の一部でこの形が記録されています。 |
| おおぼし大星 | 各地で異なる | その季節にいちばん目立つ星を指す呼び名で、土地によって対象が変わります。 |
| よばいぼし夜這い星 | 流星 | 空を走って消えることから。「ながれぼし」「とびぼし」も同じものを指します。 |
| ほうきぼし箒星 | 彗星 | 長い尾を箒に見立てたもの。現在も日常語として使われます。 |
同じ名前が別の星を指すことがあります
「おおぼし」のように、その季節に目立つ星を指す呼び名は、土地によって対象が変わります。記録を読むときは、どこで集められたものかを合わせて見る必要があります。古い記録では、呼び名だけが残って対象が特定できないものもあります。
名づけの型
和名の付き方には、いくつかの型があります。
- 形を道具に見立てる
からすき星、ひしゃく星、ますぼし。日々使う道具の輪郭に当てはめた型です。もっとも数が多くなっています。
- 方角や時刻を示す
ねのほし、あけのみょうじょう。位置そのものが名前になっており、目印としての役割がはっきりしています。
- 動きを表す
よばいぼし、ほうきぼし。星の見え方ではなく、動きや尾の形から付けられています。
- 伝承と結びつく
たなばたぼし。物語が先にあり、そこに星が当てはめられた型です。